入国審査をしているときから、列車がやたらガコガコ揺れている。一体何をしているのかというと、編成をばらしている。寒い中ずっと走ってきたので連結器が凍り付いているのか、連結を外す際には何故か衝撃を伴うようだ。
駅構内で何度も列車を動かしながら、一両ずつにばらす。そして一両にばらされた車両は、駅横の工場に搬送される。もちろん乗客を乗せたままで。
そんなことをして一体何をするのかといえば台車交換。先日も書いたようにロシアとモンゴルのゲージ(レール間隔)は広軌で1524mm。対する中国は標準軌の1435mm。つまりゲージが違うのでそのままだと乗り入れる事は出来ない。日本ではゲージの違う新幹線と在来線の乗り入れが出来るようにフリーゲージトレインなるものを開発しているが、中国やロシアにそんなハイテクな技術があるわけもない。ゲージが違うなら台車ごと取り替えればいいじゃん、ということで台車交換。なんとも強引な発想だ。
↑こんな感じで一両ずつ工場に入れられた車両は、台車-車両間のボルトなどを外す。そして車両をリフトで持ち上げて、その下を取り外した台車がシャーッと流れていく。最後に新しい台車がシャーッと入ってきて車両を降ろして取り付ける。右下の写真はわかりにくいけど、外で台車が待っている。
なお車掌に頼んだら、英語は通じないも関わらず言いたいことは通じたようで、ドアを開けて写真を撮らせてくれた。もちろん車両が持ち上がっている状態で。日本じゃ安全基準がどうとか言って絶対にあり得ないな。思えばこの言葉の通じない車掌ともずいぶんと仲が良くなったものだ(もう一人の車掌は英語が通じる)。そういえば最近、よくお湯を汲んできてくれたり、ゴミを捨ててくれたりしてる気がする。感謝感謝。
台車交換をした後、どうやって編成を戻すんだろうと思っていると、突然信じられないような衝撃が車両をおそう。危うく転びそうになった。何かと思えば列車が動き出している。どうやら機関車を後ろに連結して(というよりぶつけて)動かしているようだ。なんて思っていたら第2の衝撃が車両をおそう。今度は前の車両に突っ込んだようだ。まだ動いている。そしてまた次の車両に突撃。・・・どうやら玉突きの要領で車両を連結していく気らしい。つまりある運動量をもって突っ込ませれば、運動量保存の法則により隣の車両と連結してさらに進んでまた次の車両と連結・・・ということを繰り返しているらしい。・・・むちゃくちゃだorz
少しは乗客のことを考えろ。っていうか、そんなことをしても車両は大丈夫なのか?まあ客車なのに日本の電車より重いくらいだから丈夫に出来ているのかもしれんが・・・。
そんな衝撃を何度か繰り返した後、列車の組成が終わったようで、駅に引き返していく。やれやれと思っていたら、駅ではまた別のグループと再連結。やっぱり揺れた(笑。連結を終えてしばらくすると発車時間になって、静かに駅を離れていく。この列車、停車の衝撃は酷いけど、発車は結構スムースなんだよなぁ。
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