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旅行日記

~シベリア鉄道旅行2005~

~7日目~

2005年2月12日(土)
シベリア鉄道5日目

シベリア鉄道乗車5日目にしてロシア最終日。今日の夜には長かったロシアに別れを告げて、モンゴルへ入国する。ロシアは寒いのは気候だけではなく、人の心もだということを何度となく実感させてくれたが、果たしてモンゴルはどのように出迎えてくれるのか、今から楽しみである。

ちなみに今日は朝の時点でモスクワとの時差はすでに5時間。よって今日は午前3時台に起きた。現地時間では8時台なので、至って健康的と言える。モスクワ時間に合わせてある時計を見ると、ゲンナリするけど(笑。モンゴルに入ってしまえば、北京までずっと日本との時差が1時間(モスクワとの時差は5時間)になるので、無理なく時差を修正できていることが分かる。一日一時間位相をずらす作戦が功を奏したと言える。

今日の停車駅は、イルクーツク・ソルト、イルクーツク、スルジャンカ、ウラン・ウデ、Zagustai(ザグスタイ?)、グシノエ・オーゼロ、DZHIDA(読めません・・・)、ナウシキ、スフバートル。

バイカル湖
バイカル湖バイカル湖

今日は早起きしたおかげで、世界最大とも言われるバイカル湖を見ることが出来た。といっても雪原にしか見えないけど(笑。バイカル湖は面積はカスピ海やアラル海に劣るもののアジア最大で、最大水深は1743mと世界最深らしい。体積は世界最大らしく、海や川を除けば世界で一番水のある場所ということになる。今は凍っているけど。

その昔、バイカル湖を迂回する鉄道路線が出来る前は、夏はフェリーで渡っていたが、冬は湖面の氷の上に線路を敷いて列車を走らせていたらしい。K氏によると、春先にはたまに氷が割れて列車ごと沈むという出来事があったとかなかったとか。

せっかく景色がいいのに、窓が汚いのはいい加減なんとかして欲しい・・・。

車窓
今日も変わり映えのしない、のどかなシベリアの風景が流れていく。 車窓
貨物 と思ったら、貨物列車が来た。
貨物 さすが大陸の列車は長い。そんじょそこらの日本の貨物とは違う。鉄橋抜けた先まで続いているのが見える。
貨物 まだ続く。
貨物 まだまだ続く。
貨物 ほんとどこまで続く?
貨物 やっと終わった~。
ウラン・ウデ

モスクワ時間で午前8時過ぎ、ウラン・ウデに到着。我々の乗っている4列車は、このウラン・ウデからシベリア鉄道と別れて、モンゴルへ向かう。ウラジオストク行きのロシア号と同じルートを通るのはここまでだ。

ウラン・ウデ ただいまの時刻は、モスクワ時間午前8時、気温は-21℃。
今度の発車は8時33分発4列車北京行き。時刻はモスクワ時間で表示されている。 ウラン・ウデ
ウラン・ウデ 時間があるので、駅の外にも出てみた。のどかな田舎町という感じだ。
クマー(笑。 ウラン・ウデ
不良債権処理
車窓車窓

ウラン・ウデからはモンゴルに向かうため、列車は南下を続けている。シベリアの大地を東西に移動しても、それほど景色や気候に変化は見られなかったが、さすがに南北に移動すると、気候の違いが目に見えて分かってくる。タイガからステップ気候になったという感じだろうか。列車もウラン・ウデでからこちら、単線になって幹線からローカル線に入った感じがする。

雪こそまだ残っているものの、植生などを見れば砂漠っぽくなってきて、いよいよモンゴルが近づいていることを改めて実感する。

それはそうとこの期に及んでロシアルーブルが大量に残っていることが発覚。列車に乗っていたらほとんど使わないから仕方ない。海外旅行に行って通貨が余っても普通は日本に帰って両替すれば問題ないが、ここはロシア。その辺の先進国とは違う。ルーブルは国外持ち出し禁止で、日本に帰っても両替できない。もちろんモンゴルでも中国でも両替できない。しかもここにきて国境駅で両替できない説が突如浮上してきた。というわけで、ルーブルを残したままロシアを離れれば、ルーブルは文字通り紙くずと化してしまうのだ。紙くずになるくらいなら使い切ってやると気合いを入れ直すが、いかんせん列車の中では使い道が限られてくる。食堂車に酸っぱいスープを飲みに行ったり、ウォッカを買ったり、駅の売店で怪しい韓国のラーメン買ったり・・・そんな小物だけで消費するには限界がある。頑張ったけど結局は2000~3000円ぐらい余ってしまった。あとは国境駅で両替できることを望むだけだ。

さらば露西亜

いよいよロシアからの出国。モスクワ時間で13時過ぎ、国境駅となるナウシキに到着。ここでは三時間以上停車して、国境警備隊の人たちが列車内に乗り込んできて出国審査を行う。そしてその間、乗客は列車から降りることは許されない。つまり通貨両替も出来ない。不良債権未処理が確定したorz
というわけで、誰かロシアに行きたい人がいたら譲ります。レートは応相談。

しばらく部屋の中でぼ~っと本を読んでいたら、国境警備隊のお姉さんがやってきて出国審査が始まる。とはいっても、観光客なのでパスポートを見せて出国カードを提出するだけで、普通に終わる。・・・はずだった。しかしお姉さんがいかにも形式ですからという感じで、書類を書きながらやる気をなさそうに「No weapons or drugs?」と聞いてきた。俺は「もちろんどちらも持ってないからYesだぜ」とか思って「Yes」なんて答えたものだからお姉さんびっくり。お姉さんがびっくりするから俺もびっくり(笑。

あれっと思ってよく考えたら、否定疑問文だということに気付いてた。あわてて「No, No!」と答えたら見事に笑われてしまった。やっぱり日本人って否定疑問文間違えるんだなぁ。高校とかで習って「そんなん習ったら間違わないだろう」とか思ってたし、実際試験でも間違えたことはなかったけど、会話に出てくると普通に間違えてしまった。モスクワでT氏が間違えているのを見て「ふっ、バカめ」とか思っていたけど、こんなところで間違えた俺の方がバカだった(爆。

無事(?)出国手続きも済ませて、時間になると列車が動き出す。いよいよ国境を通過だ。列車で国境を通過するのは初めてでドキドキする。国境には線路の周りにゲートのようなものが設置されていて、ゲート付近では国境警備隊の人たちが線路の両側に一列に並んで、列車に対して敬礼。何気に感動した。

二度と行きたいとは思わない国ロシア。この国とはこうして別れを告げた。

モンゴルよ、こんばんは

ナウシキから走ること約一時間、モンゴルの国境駅スフバートルに到着。ここでも入国審査のため、2時間近く停車する。国境を越えたのだからと、時計をウランバートル時間に直すと、5時から10時になった。なんか時間を損した気分だ・・・。

モンゴルの入国審査官は、やたらフレンドリーな兄ちゃんがやってきて、やたらフレンドリーに日本語で話しかけてきた。「今モンゴルでは正月なんだよ」とか「今日本で何やってるの?」とか、世間話して終わった。そんなんで仕事大丈夫なんですか?ちなみに隣のK氏達の部屋では、「ジュースちょうだい」と言ってジュースを飲んで帰ったらしい・・・。モンゴル、底の見えぬ国だ・・・。

モンゴルでの入国審査(?)も無事終わり、再び列車が動き出す。そのころにはすでに日付も変わっていたので、さっさとベッドに登って眠ることにした。

列車での旅もすでに五日を過ぎた。それと同時にロシアでの一週間の旅も終えた。「どんな国だった?」と聞かれれば「恐い国」と答えるのが一番しっくり来る。しかし勘違いしないで欲しいのは、二度と行きたくないというだけで、一度は行って良かったと思っている。旅行も楽しんだし、色々なこともあっていい思い出になった。生きていればいずれまた来ることもあるかもしれない。そのときにはもっと平和な国になっていることを切に願う。

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